この記事の監修者 |
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氏名 | 熊谷正和(くまがやまさかず) |
保有資格 | CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャルプランニング技能士 |
所属 | ライフアート・コンサルティング株式会社 |
監修日 | 2023年1月18日 |
〇フルローンとは?
不動産投資では物件購入にかかる費用が高額になります。一等地であれば数千万円、数億円の物件も珍しくはありません。
そのため自己資金で購入することは難しく、金融機関からの融資で物件購入資金を調達することになるのです。
フルローンとは、頭金なしに投資物件の物件価格を金融機関からの融資のみで調達することを指します。
不動産投資をはじめる場合、不動産投資ローンを組んで物件を購入するケースが一般的ですが、フルローンを選択するメリットをご紹介します。
(1)自己資金を確保できる
フルローンの一番のメリットは、手元に資金を確保したまま不動産投資ができることです。
手持ち資金を残しておけば、購入物件のリノベーション費用や広告宣伝費に充て、他の物件よりも競争力を高めて空室リスクを減らすことも可能です。
フルローンは、頭金を支払った場合に比べて、物件購入後の資金自由度が格段に高まります。
(2)レバレッジ効果の最大化
レバレッジ効果の意味は「てこの原理」のことで、小さな力で大きな力を発揮するしくみです。
投資においてレバレッジ効果とは、「少ない資金で大きな資産を生み出す」ことです。
したがって、フルローンで金融機関からの融資を受けることができれば、自己資金を手元に残したまま収益を得られるため、レバレッジ効果が最大になります。
(ただし不動産購入時にかかる諸費用はフルローンに含まれないため、別途支払いが必要です)
1,000万円の自己資金を用意し、利回り8%のケースを考えてみましょう。
1,000万円の物件を自己資金のみで購入する場合:
年間収益80万円
1000万円を頭金にして2000万円を借入れ、3000万円の物件を購入した場合:
年間収益240万円
同じ金額の自己資金・利回りであっても借入れを合わせることで、収益は3倍の240万円となります。
2000万円の利息が年間3.6%かかり72万円を返済したとしても168万円で、自己資金のみの場合より年間88万円多い収益です。
このように、
フルローンの方が圧倒的に大きなレバレッジ効果を得ることができます。