リバースモーゲージとリースバックの違いとは?

金融機関

高齢の持ち家世帯向けのサービスである「リバースモーゲージ」と「リースバック」、この2つの違いとメリット、おすすめしたいお客様のタイプについて解説します。

目次

  1. 1. リバースモーゲージとは?リースバックとは?
  2. 2. リバースモーゲージとリースバックの違いとは?
  3. 3. リバースモーゲージとリースバック、どちらを選ぶべき?
  4. 4. まとめ

1.リバースモーゲージとは?リースバックとは?

リバースモーゲージとリースバックは、どちらもお客様が自宅に住み続けながら、将来の生活資金などを調達できるサービスです。しかし似ている面はあっても、システム的には大きく違います。最初に、この二つのサービスの根本的な違いについて、仕組みの面から検証してみましょう。

1-1.リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、自宅を担保にそこに住み続けながら融資を受けるシニア層向けのローンです。
リバースモーゲージを取り扱う銀行などの金融機関は年々増え、自宅を有効活用し自宅を手放すことなく、現金を確保できるリバースモーゲージは、年金生活で収入の少ない高齢者に支持されています。

リバースモーゲージの仕組み

リバースモーゲージはリースバックとは異なり、自宅を担保にした融資方法の一つです。融資の対象になるお客様は、自宅を担保にしてローンを組み、金融機関などから融資を受けます。基本的に毎月の支払いはローンの利息分だけで、元金は契約者が亡くなったあとに一括して返済する仕組みです。

リバースモーゲージのメリットとデメリット

ローンを検討中のお客様にとっては、メリットとデメリットは重要な判断基準です。まずリバースモーゲージの主なメリットは以下のとおりです。


  • ・毎月の支払いが利息だけなので、生活への負担が小さくて済む
  • ・自宅に住み続けながら、まとまった資金を手にすることができる
  • ・契約者が亡くなった場合、配偶者が契約を引き継ぐことも可能
  • ・退職金や預貯金の切り崩しを回避して、老後に資金的な余裕ができる

次にリバースモーゲージのデメリットとして考えられるのは、主に以下の4つです。


  • ・契約が長期化すると、追加融資により返済額が増える場合がある
  • ・不動産物件の価値が下がると、融資限度額が見直される場合がある
  • ・変動金利によるリスクがある
  • ・資金の使途に条件がある

1-2.リースバックとは

一方のリースバックは、近年需要が伸びている老後の資産活用法で、融資の一種であるリバースモーゲージとは仕組みが違います。リースバックの場合、融資ではなく自宅を売却することで不動産を現金化するのです。


リースバックの仕組み

リースバックの場合、お客様は今住んでいる自宅もしくは所有する不動産を売却し、一括して売却代金を手にすることができます。その後は売却先と賃貸借契約を結び、月々の家賃を支払いながら自宅に住み続けることが可能です。売却資金は老後の資産だけでなく、条件に縛られず幅広く自由に使えます。

リースバックのメリットとデメリット

リースバックでは自宅の所有権が移転するので、それまでにかかっていた維持費などを大幅に節約できます。リースバックの主なメリットは以下のとおりです。


  • ・売却代金は一括支払いで、使いみちは完全に自由
  • ・売却した自宅にそのまま居住でき、マンションのケースにも対応
  • ・固定資産税や管理費などの維持費が不要
  • ・転居をともなわないため、引越し費用や備品の処分料などが不要
  • ・必要な書類が少なく、手続きが非常に簡単
  • ・火災や落雷などによる家財保険を自己負担する必要がない
  • ・将来再度自宅を買い戻すことも可能

リースバックのデメリットは以下の2つです。


  • ・自宅を売却することになるため、所有権と名義が変更される
  • ・今までは必要なかった家賃が毎月発生する

2.リバースモーゲージとリースバックの違いとは?

ここでは、リバースモーゲージとリースバックとの具体的な違いについて解説しましょう。まずは、それぞれの主な特徴を表にまとめてみます。


比較項目 リースバック リバースモーゲージ
仕組み リースバック 自宅を売却し、売却代金を一括で受け取る。
売却と同時に賃貸借契約を締結し、毎月家賃を支払う。
リバースモーゲージ 不動産(自宅)を担保にし、融資枠内で融資を受ける。
現金受け取り方法 リースバック 一括 リバースモーゲージ 融資枠内で、一括・融資枠内で毎月一定額・随時受け取りなど
転居の必要 リースバック なし リバースモーゲージ なし
対象物件 リースバック 一戸建て・マンション・事務所・店舗・工場など リバースモーゲージ 一戸建て・マンション
所有権(名義) リースバック 買取会社 リバースモーゲージ 移転なし
資金使途 リースバック 自由 リバースモーゲージ 制限あり(事業・投資資金は不可)
年齢 リースバック 制限なし リバースモーゲージ 制限あり(下限)
収入 リースバック 制限なし リバースモーゲージ 制限あり(年金などの収入)
固定資産税の納税義務 リースバック なし リバースモーゲージ あり
家族の同居 リースバック 可能 リバースモーゲージ 原則配偶者のみ
担保の設定 リースバック 不要 リバースモーゲージ 必要
住宅ローン(抵当権) リースバック 抵当権設定ありでも利用可

※売買契約時抹消

リバースモーゲージ 抵当権設定では利用不可
担保設定 リースバック 不要 リバースモーゲージ 必要
月々の支払い リースバック 家賃 リバースモーゲージ 利息のみ支払い
契約終了後 リースバック 再度購入可能 リバースモーゲージ 契約終了後(死亡後)に売却または相続人による一括返済

一見したところでは、リースバックに比べてリバースモーゲージのほうに、多くの制限や条件があるように感じられます。その中で、お客様にとって特に気になる3つの項目を見てみましょう。

2-1.資金の受け取り方(売却と融資)

まずはどちらの方法でも、現在住んでいる自宅の査定に応じて、不動産を資金化する点では同じです。ただしリースバックでは自宅を売却するのに対して、リバースモーゲージでは自宅を担保に融資を受ける点が大きな違いです。

リースバックでは基本的に、売却代金は一括してお客様が受取ります。一方のリバースモーゲージでは一括受け取り以外にも、融資枠を設定して毎月一定額を受取る方法や、必要な金額を随時受け取る方法などがあります。

2.2.所有権(名義)

リースバックの場合、自宅の所有権と名義は買取会社に移転します。リバースモーゲージは買取りではないため、所有権と名義はその住居の所有者のままで変更ありません。

2-3.月々の支払い

リースバックでは契約時に、売却対象になる不動産を査定して、売却金額と月々の家賃とを算出します。お客様はその契約金額に沿って、毎月家賃を支払う仕組みです。

リバースモーゲージには、金融機関によっていくつかのタイプがあります。通常は月々融資額の利息分だけを支払いますが、タイプによっては契約満了時に元金と利息を合算して返済することも可能で、その場合には月々の支払いは発生しません。

リバースモーゲージとリースバック、どちらを選ぶべき?

ここまで比較してきた結果から、リバースモーゲージとリースバック、お客様によってどちらが向いているかが見えてきたかもしれません。最後に、それぞれのサービスに向いているお客様のタイプについてまとめておきます。

3-1.リバースモーゲージに向いている人

リバースモーゲージは、基本的に現在の暮らしをそのまま継続しながら、自宅を手放すことなく必要な資金を調達したいお客様に向いています。

リースバックとは違い売却するわけではないので、所有権(名義)を変更せずに住み続けたい場合や、自宅をリフォームして資産価値を落とすことなく、そのまま継続して住み続けたいお客様におすすめです。一時的にまとまった融資を受け、将来的にはそれを返済して自宅を維持したい、という条件に向いているでしょう。

3.2.リースバックに向いている人

リースバックの場合、最終的には自宅を手放すことになっても、その前に不動産として有効に資産活用したいお客様に向いています。
たとえば、住宅ローンの完済、事業資金の調達や負債の返済、老後の生活資金を調達するなど、早めにまとまった金額の現金を受取りたいお客様におすすめです。さらに、実家を残すことにより、両親の死後に相続トラブルが起こらないように、資産を現金化しておきたいお客様にも向いています。

ほかにも、一般的な住宅ローンでは融資を受けられない場合や、リバースモーゲージでは条件が合わず、契約が困難と判断される場合にも検討する価値があるでしょう。

まとめ

持ち家比率が高いシニア層の高齢化が進むことで、リバースモーゲージやリースバックの需要も高まるはずです。
そうした需要に合わせて、自行においてもシニア顧客のために自宅を活用した資金調達方法の幅を広げたいとお考えの金融機関もいらっしゃることでしょう。
実際、リバースモーゲージを主力商品に位置付けている金融機関も増えています。

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