団信への加入が叶わなかった場合、住宅ローンを利用することはできないのでしょうか。
実は、団信に入れないからといって住宅ローン利用の道がすべて閉ざされてしまうわけではありません。
団信に入れなかった人でも、
・ワイド団信に加入
・名義を配偶者にする
・団信の加入が不要な住宅ローンを検討する
など、いくつかの対処法があります。
これらの対処法を知っておくと、団信の審査に落ちてしまった場合でも慌てずに対応できます。
(1)ワイド団信
団信の加入条件を緩和して、団信に入れなかった人でも加入できるようにしたのが「ワイド団信」です。ワイド団信なら、持病があっても通常の団信に比べて加入できる可能性が高まります。
しかし、団信に入れなかった人のすべてがワイド団信に加入できるわけではなく、審査によっては加入不可になることもあります。ワイド団信の明確な審査基準は一般に知らされていないため、実際に申込みをしてみなければわからないのが実情です。
さらに、ワイド団信を取り扱っていない金融機関が多いので、借入先の選択肢が狭まってしまうこと、通常の団信に比べて上乗せされる保険料が高いため総返済額が増えてしまうなどのデメリットがあります。
(2)配偶者名義の契約
団信、ワイド団信のどちらにもにも加入できなかった場合、住宅ローンの契約者を配偶者の名義にしてしまうという思い切った方法もあります。
さらに、連帯保証型や連帯債務型といったタイプの住宅ローンなら夫婦連名で契約でき、どちらか健康状態の良い方を主たる契約者にすれば団信に加入できます。
ただし、いずれの方法でも配偶者が給与所得者である必要がありますし、住宅ローン審査に通るレベルの収入や団信の審査に通る健康状態であることが必要です。その条件をクリアできれば選択肢として有効な手段です。
(3)団信なしの住宅ローン
住宅ローンの審査に通過できるだけの信用性はあるものの、健康状態が理由でどうしても団信に加入できなくて困っている場合は、団信への加入が不要な住宅ローンを選択することで解決できます。
フラット35
住宅金融支援機構の取り扱っている「フラット35」は団信加入が任意のため、団信に加入せずに住宅ローンの契約が可能です。団信へ入ることを義務付けていないため、契約時に団信の心配をする必要がありません。
ただし、保障なしに何千万円もの債務を抱えるので、住宅ローン契約者が死亡または高度障害といった事態に陥った際には多額の残債が負担となり、結果的にマイホームを手放さなければならなくなる可能性がある点については注意が必要です。
フラット35と民間の住宅ローンの主な違いフラット35 | 民間の住宅ローン(金融機関・ノンバンク) |
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融資限度額は8,000万円 | 融資限度額は数億円まで可能 |
金利が一定で返済計画が立てやすい | 彩な金利タイプから選べる |
固定金利なので低金利で利用できない | フラット35よりも低金利で利用可 |
初期費用として融資手数料が必要 | 金融機関ごとの特典が付帯する場合がある |
繰り上げ返済は最低100万円が必要 | 繰り上げ返済は任意の金額から可能 |
基準をクリアしていない住宅では借りられない | 物件によっては中古住宅でも利用できる |
自営業や個人事業者でも借りやすい | 自営業や個人事業者は借りづらい |
団信への加入は義務ではない | 金融機関は団信への加入が必須 |
返済期間は15年以上35年以内 (申込時60歳以上は10年以上) | 返済期間は1年単位で設定ができる |
フラット35は借りられる金額が民間の住宅ローンに比べて少なく、返済期間も最低15年以上(60歳未満の場合)から設定する必要があります。
セゾンファンデックスの住宅ローン
金融機関以外でも、セゾンファンデックスなど一部の民間ローンなら団信へ入らずに住宅ローンを組めます。
保障のない状態で住宅ローンを利用することになりますので、死亡などのリスクを考慮して死亡保険などへの加入を検討するといった対策を講じておくのがおすすめです。