どんな住宅ローンでも、融資を受ける際には事前に厳正な審査があります。フラット35は比較的審査に通りやすいといわれていますが、実際にどのような基準で審査されるのか、注意すべきポイントと合わせて紹介します。
(1)フラット35の審査基準
フラット35の審査基準は、住宅金融支援機構のホームページで開示されているので、誰でも詳細な規定を確認できます。まずは自身の条件が、審査基準を満たしているかどうか確かめてください。とくに次の2点は重要な基準なので、詳細に中身を検証してみましょう。
①住宅に対する基準
借入対象になる住宅は、一戸建ての場合床面積が70m以上で、マンションなどの場合は30m²以上です。いずれも住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合している必要があり、専門の検査機関に依頼して適合証明書を取得しなければなりません。
融資可能額は100万円以上8,000万円以下で、土地を取得する費用も含まれます。また、実際に申込者本人もしくは親族が居住することが条件であり、たとえば店舗や事務所部分が併設される場合、それらは融資の対象になりません。
②申込希望者に対する基準
申込みできるのは、満70歳未満の日本国籍をもつ人か、外国籍の場合永住許可を受けている人です。収入の証明も必要で、申込年度の前年の年収を証明する公的証明書を提出して審査を受けることになります。
(2)フラット35の審査に落ちる人はどんな人?
フラット35では購入する物件が担保になり、原則保証人も不要なため、比較的審査に通りやすいのは前述したとおりです。しかし、それでも審査に通らない場合には、以下に挙げた問題について検討する必要があるでしょう。
①住宅自体の問題
一つは住宅ローンの対象になる物件そのものに問題があるケースです。たとえば次に挙げるような理由が考えられます。
・購入する物件が住宅金融支援機構の定めた技術基準を満たしていない
・担保物件の評価が低い
②返済負担率が高すぎる
フラット35では、年収と返済額のバランスをとるために、年間の合計返済額の割合を、年収400万円未満の場合30%以下に、そして400万円以上の場合35%以下に設定しています。年収に比べて返済負担率が高すぎると判断されれば、返済が滞るリスクから審査に通らない可能性があります。
③信用情報に傷がある
金融機関の審査では、住宅ローン希望者の信用情報を信用情報機関に照会しますが、このときにクレジットカードの支払いや他のローンで延滞の履歴があると、その滞納を解消していたとしても審査で不利に働く要因になります。
もし不安があるようであれば、住宅ローン審査申込みの前に信用情報機関へ確認することをおすすめします。
クレジットカードの支払いを延滞したら、住宅ローンは借りられない?→
たとえ少額でも、ローンやキャッシングの支払い延滞や遅延があると、その事実は必ず信用情報に登録されます。個人の信用情報は本人に限り、申請すれば情報開示により回答を得ることができます。もしも自身の信用情報に不安がある時には、事前に確認するのがおすすめです。