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相続で「追徴課税」が発生したら?注意点と対処法を解説

相続税の申告および納税の必要がある場合は、期日までに被相続人の住所地を管轄する税務署に申告および納税を行わなければならず、納税は現金で行います。もし、申告時期までに申告および納税をしていないことが発覚した場合は、本来の相続税に加えて加算税や延滞税を支払う必要があります。また、課税や徴収もれによって追徴課税が発生した場合も、加算税や延滞税の対象です。今回は、相続で「追徴課税」が発生した場合の、注意点および対処法について解説します。

目次
  1. 追徴課税は相続税の税務調査で発生しやすい!
  2. 相続税の追徴課税による4つのペナルティ
  3. 相続税の税務調査で追徴課税が発生するケースとは?
  4. 追徴課税を受けたときの注意点
  5. 追徴課税が払えないときの対処法

追徴課税は相続税の税務調査で発生しやすい!

相続税の追徴課税は、税務調査で発生しやすいといわれています。

(1)追徴課税とは

追徴課税とは、相続税の納付期限内に相続税の申告および納付が行われなかった場合や、行われたとしても申告した相続税額が実際よりも少ないことが発覚した場合に、追加で支払う税金のことです。

(2)税務調査とは

追徴課税は多くの場合、税務調査で発覚します。税務調査とは、納税の申告が適正に行われているかどうかを税務署が調べることで、税務署の職員が実際に納税者の自宅などを訪問して行う実地調査が主流となっています。

・調査の種類

税務調査には、強制調査と任意調査の2種類があります。
強制調査とは、裁判所の令状をもとに国税局の査察官が行うもので、拒否することはできません。
一方、任意調査は税務署の職員によって行われる調査で、行われる際には事前に連絡があります。

・税務調査は10年さかのぼる

税務調査は10年程度までさかのぼって行われます場合があります。なぜなら、金融機関は取引の履歴を10年分保管しているため、税務署は被相続人や家族の預金口座について最長10年分の取引履歴を調べることができます。

・税務調査が行われる時期

税務調査が行われる時期は、7月から12月が多いといわれています。

(3)相続税の調査等のデータ

国税庁が公表している「令和3事務年度における相続税の調査等の状況」によると、相続税における実地調査の結果、約9割が追徴課税の対象になっていることや、1件あたりの追徴税額が886万円と高額になっていることが分かります。

相続税の追徴課税による4つのペナルティ

相続税の追徴課税の対象になった場合、本来納めるべき税額に加え、4つのペナルティが課されます。
ここではこれらのペナルティの内容について解説します。

(1)過少申告加算税

申告期限内に提出された申告書に記載されていた金額が、本来納めるべき税額よりも少なかった場合に課税されるものです。
ただし、早めに気づいて修正する(修正申告)ことで加算を逃れられるケースもあります。
過少申告加算税の税率は以下のとおりです。
・法定申告期限等の翌日から調査通知前まで:対象外
・調査通知以後から調査による更正等予知前まで:5%(10%)
・調査による更正等予知以後:10%(15%)
※( )内の数字は加重される部分に対する加算税割合を示します。加重される部分とは、期限内申告税額と500,000円のいずれか多い額を超える部分のことをいいます。

(2)無申告加算税

無申告加算税とは、正当な理由がないにもかかわらず、申告期限までに申告しなかった場合に課税されるものです。
無申告加算税の税率は以下のとおりです。
・法定申告期限等の翌日から調査通知前まで:5%
・調査通知以後から調査による更正等予知前まで:10%(15%)
・調査による更正等予知以後:15%(20%)
※( )内の数字は500,000円を超える部分に加重される加算税割合を示します。

(3)重加算税

重加算税とは、仮装や隠蔽が行われた場合にかかる税金です。意図的に相続税を過少申告したときや、申告を行わなかったときは、延滞税とともに重加算税も納めることになります。
・過少申告の場合:追加納付する相続税の35%
・無申告の場合:追加納付する相続税の40%
過去5年以内に重加算税や無申告加算税が課税されていた場合は、上記の税率に10%上乗せされます。

(4)延滞税

相続税の納付期限までに納税されなかった場合に発生する税金です。
延滞税の割合は納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までであれば2.4%、2ヶ月を経過したあとでは8.7%です。

相続税の税務調査で追徴課税が発生するケースとは?

では、相続税の税務調査で追徴課税が発生するケースとは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

(1)預貯金が多く、生前の資金移動の頻度が高いケース

不動産よりも預貯金の割合が多く、入出金が多い場合は隠された不動産取引や第三者への貸付を行っていた可能性が考えられ、税務調査によって発覚します。

(2)被相続人の生前の所得と申告財産に差があるケース

被相続人の所得と申告財産に差があるケースも追徴課税が発覚しやすいです。特に所得に比べ、相続財産の申告額が少なすぎると税務調査の対象になりやすいといわれています。

(3)多額の借入金があるのに、それに見合う相続財産がないケース

多額の借入金があるにもかかわらず、それに見合う相続財産がない場合も調査の対象になります。なぜなら、多額の借入金がある場合、それをもとにして不動産などを購入していたのではないかと考えられるからです。しかし、そのような財産がない場合、借入金の使用目的をはっきりさせるためにも調査が行われます。

(4)家族名義の資産が収入に対して多いケース

相続人である家族の資産が収入に対して不自然に多い場合、生前贈与が疑われる可能性があります。その結果税務調査が行われ、追徴課税となるケースもあります。

(5)不動産の申告もれや評価間違いがあるケース

不動産(特に持ち家)の申告もれや財産評価の計算に間違いがあるケースも、税務調査で発覚しやすいです。その結果、追徴課税が課されることがあります。

追徴課税を受けたときの注意点

仮に追徴課税を受けることになった際には、以下の点に注意しておきましょう。

(1)支払いは現金払いのみ

納税は現金で行われます。通常の相続税の納税方法では物納という方法も用意されていますが、追徴課税では現金での納税しか認められていません。
しかも一括払いとなっていますので、まとまった資金が必要です。

(2)最悪の場合、財産の差し押さえになるケースも

追徴課税を納めずに放置していると、督促状が届き、最終的には財産が差し押さえられることになります。差し押さえ財産の対象には、給与や金融資産、不動産、保険契約の解約返戻金などがあります。

(3)相続人全員に「連帯納付義務」がある

相続人のうち1人に追徴課税が課されたとしても、相続人全員に連帯の納付義務があります。そのため、対象となる相続人が相続税の追徴課税を支払えなかった場合、ほかの相続人に対して支払うよう請求されます。

(4)自己破産しても免責されない

自己破産では、すべての借金が免責されるわけではありません。自己破産でも対象とならない「非免責債権」というものが存在し、「税金」「罰金」「国民健康保険料」「国民年金保険料」などの支払いについては免責されず、自己破産が認められたとしても、これらは払う必要があります。税金は自己破産の免責対象にはなりません。

追徴課税が払えないときの対処法

どうしても追徴課税が払えない場合、以下の対処法を考えてみましょう。

(1)納税猶予制度を利用する

どうしても追徴課税が払えない場合、納税猶予制度が利用できます。
納税猶予制度には、「換価の猶予」そして「納税の猶予」の2種類があります。
換価の猶予
差し押さえられた財産を換金して納付することを一定の期間猶予したり、新たに財産が差し押さえられるのを猶予したりしてくれる制度です。
ただし、この制度を利用するには、原則として担保を提供しなければならないなど厳しい条件を満たさなければなりません。そして換価の猶予が認められれば、追徴税額を1年かけて分割で納税できます。

納税の猶予
自然災害などの被害を受けたなど、全ての条件を満たすことにより、納税を猶予する制度です。そして適用を受けるには、猶予の申請書と修正申告書を同時に提出しなければなりません。納税の猶予が認められれば最大2年間に分割して納付できます。

(2)セゾンのリースバック

不動産を利用した資金調達方法として、セゾンのリースバックがあります。
リースバックとは、所有している不動産を売却してまとまった資金を得て、賃料を払うことで売却した家に住み続けられる仕組みの資金調達方法です。
売却した不動産は将来再度購入することもできるため、納税資金を調達するための手段のひとつとして有効です。
セゾンのリースバックでは、最短で即日見積り、2週間でご契約をすることができます。お急ぎの場合でもぜひご相談ください。
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(3)不動産売却前提ローン

納税資金を調達しようとして、不動産の売却を考えるケースもあります。しかし不動産はその性質上、すぐに売却できるとは限りません。また、売り急ぐことで相場よりも安い価格で取引してしまう可能性もあります。
そんなときにご利用いただけるのが、セゾンファンデックスの不動産売却前提ローンです。
不動産売却前提ローンとは、売却する予定の不動産を担保に資金を借り入れ、その後売却できた際に返済するローンです。毎月の返済が利息のみであるため、家計に対する負担を少なくできる点も魅力といえるでしょう。
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