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離婚で家のローンが残っていても売却できる?確認事項や注意点を解説

離婚するにあたって家のローンが残っており、家の処分方法に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ローンの残った家を売却するには、ローンの契約内容や離婚時点の借入残高などに応じて適切に対応する必要があります。そこで本記事では、離婚の際にローンの残った家を売却する方法や注意点を詳しく解説します。最後まで読んでいただければ離婚する際の住宅ローンに関する手続きの詳細がわかり、スムーズに家の売却を進められるでしょう。

目次
  1. 離婚するときは住宅ローンの内容をまずはチェック!
  2. 住宅ローンありで離婚するときに家を売却するポイントや注意点
  3. 住宅ローンが残っている家を売る流れとは
  4. 離婚に伴う不動産処分のサポートはセゾンファンデックスにおまかせ!
  5. おわりに

離婚するときは住宅ローンの内容をまずはチェック!

離婚する際に家を売却したい場合は、まず住宅ローンの内容と家の現状を把握しましょう。確認が必要な項目は以下の4点です。
  • (1)家の名義人
  • (2)住宅ローンの契約内容と残債
  • (3)現在の家の価値
  • (4)オーバーローンかアンダーローンか

(1)家の名義人

住宅ローンが残っている家の名義人が誰なのかを確認しておきましょう。原則として、家を売却できるのは家の所有者である名義人に限られるためです。

夫婦で家を購入した場合は、夫婦どちらかの名義(単独名義)もしくは夫婦の共有名義となっていることが多いですが、兄弟や親族との共有名義になっているケースもあります。

共有名義の不動産は、名義人全員の同意がないと売却できません。売却契約書に名義人全員が署名捺印し、全員分の本人確認書類を提出する必要があるためです。

離婚する際に自由に売却できずトラブルに発展するケースも多いため、名義人を確認して慎重に売却の準備を進めましょう。

名義人がわからない場合は、法務局で家の登記簿謄本を取得することで確認可能です。
登記簿謄本の「権利部(甲区)(所有権に関する事項)」と書かれた欄に、家の所有者の氏名が明記されています。
2人以上の共有共同名義の場合は、「共有者」としてそれぞれの氏名と持分が記載されています。
法務局の窓口での交付は平日のみの受け付けですが、オンラインで交付申請をして郵送で受け取ることも可能です。
参照元:法務局|各種証明書請求手続|土地・建物の登記事項証明書の請求方法

(2)住宅ローンの契約内容と残債

住宅ローンの契約内容と借入残高(残債)を確認しておくことも大切です。特に、離婚の際は誰の名義で住宅ローンを組んでいるのかが重要なポイントになります。
夫婦で住宅ローンを契約する際は、以下の3つのパターンが考えられます。
①単独ローン
夫(または妻):債務者
妻(または夫):債務負担なし
②連帯保証型ローン
夫(または妻):債務者
妻(または夫):連帯保証人
③ペアローン
夫(または妻):債務者・連帯保証人
妻(または夫):債務者・連帯保証人

単独ローンとは、夫婦どちらか単独の名義で借り入れたローンです。ローン債務者(ローンの名義人)のみが返済義務を負います。

連帯保証型のローンとは、夫婦どちらかの名義で借り入れ、もう一方が連帯保証人になるローンです。債務者が返済できなくなった場合に、連帯保証人が代わりに返済しなければなりません。

ペアローンとは、夫婦それぞれが債務者となり個別に借り入れるローンです。互いに連帯保証人になり、一方が返済できなくなった場合に返済を引き継ぐ義務があります。

離婚時に住宅ローンが残っていれば、夫婦で折半するのではなく債務者や連帯保証人がそのまま返済義務を負うのが原則です。離婚後にトラブルになりやすいため、責任の所在を明らかにしておきましょう。

なお、家の名義人と住宅ローンの名義人が異なる場合がありますが、返済義務を負うのは住宅ローンの名義人です。

住宅ローンの名義人は、ローンの契約書や借入先の金融機関のマイページなどで確認できます。契約書に添付されたローン償還表や返却予定表を見れば、残債も確認できるでしょう。

(3)現在の家の価値

実際に売却するかどうかに関わらず、現在の家の不動産価値を調べておきましょう。家の築年数や物価の影響などにより、購入時から価値が大きく変動している可能性があります。

ポイントは、家を売却したお金で住宅ローンの残債を一括返済できるかを確認することです。
住宅ローンを利用して購入した家には抵当権が設定されており、住宅ローンを完済するまで抵当権を解除できません。

抵当権とは、住宅ローンを返済できなくなった場合に融資した金融機関が担保として差し押さえる権利です。

抵当権つきの家は買主に引き渡せないため、売却するには住宅ローンを完済する必要があります。そのため、家の不動産価値が住宅ローンの残債を上回るかを確認しておくことが大切です。
家の不動産価値を調べるには、不動産会社に査定を依頼しましょう。査定は基本無料で、必ず売却する必要もありません。

なお、不動産会社によって査定額は数百万円以上差が出ることもあるため、複数社に査定を依頼して比較することをおすすめします。

(4)オーバーローンかアンダーローンかを確認

家の不動産価値と住宅ローンの残債が分かればわかれば、オーバーローンかアンダーローンかを判断できます。

オーバーローンとは、住宅ローンの残債が家の売却価格を上回る状態を指します。仮に家を売却しても残りの住宅ローンを一括返済できません。

アンダーローンとは、家の売却価格が住宅ローンの残債を上回る状態です。家を売却したお金で住宅ローンを一括返済でき、手元に現金利益が残る可能性も高いです。

アンダーローンであれば問題なく家の売却準備を進められますが、オーバーローンの場合はローンの返済方法や家の処分方法をよく考えなければいけません。

オーバーローンとアンダーローンの状況別の対応方法は、次章で詳しく解説します。

住宅ローンありで離婚するときに家を売却するポイントや注意点

離婚の際に住宅ローンが残った家を売却する場合、住宅ローンの契約内容や家の価格などに応じて対応が異なります。
  1. (1)オーバーローンのとき
  2. (2)アンダーローンのとき
  3. (3)連帯保証のとき
  4. (4)連帯債務のとき
  5. (5)ペアローンのとき
上記5つのケースに分けて、売却する際のポイントや注意点を見ていきましょう。

(1)オーバーローンのとき

オーバーローンの場合、家の売却代金だけでは住宅ローンを完済できず、抵当権を抹消できません。

そのため、預貯金などの自己資金で不足分を補い、家の売却と同時に住宅ローンを完済する必要があります。

具体的には、家の売買契約を締結して売却代金を受け取り、自己資金を加えて住宅ローンを一括返済します。同時に抵当権を抹消できる書類と共に買主へ家を引き渡す流れです。

住宅ローンの残債が多く、一括返済できるだけの自己資金がない場合は、離婚後に夫婦のどちらかが継続して住むケースが多いです。

どうしても家を処分したい場合は、任意売却という選択肢もあります。
任意売却とは、住宅ローンの借入先の金融機関の許可のもと、条件つきで抵当権を解除して家を売却することです。家の売却代金でローンの一部を返済し、残りは売却後に返済を続けます。

任意売却はローンを一括返済できなくても家を売却できますが、将来別の融資を受けにくくなるなどのリスクがある売却方法です。手続きを進める前に慎重に検討しましょう。

任意売却について詳細は後述します。

(2)アンダーローンのとき

アンダーローンの場合は家の売却価格が住宅ローンの残債を上回っているため、家の売却と同時に住宅ローンを一括返済できるでしょう。

なお、夫婦生活のために取得した家は夫婦の共同財産とみなされるため、夫婦どちらか単独の名義の家であっても売却した利益は財産分与の対象となります。
売却代金から住宅ローンの返済分と家の売買手数料などを差し引き、残りの金額を折半するケースが多いです。

ただし、離婚後の就労状況や離婚理由などの考慮すべき事情がある場合は、納得できるまで協議して利益の配分を決めましょう。
参照元:法務省|財産分与

(3)連帯保証のとき

住宅ローンを組む際に夫婦のどちらかが債務者となり、もう一方を連帯保証人に指定したケースもあります。

アンダーローンの場合、家の名義人の意思で家を売却して住宅ローンを完済すれば、離婚後に問題になる可能性は低いです。

しかし、オーバーローンの場合は住宅ローンを一括返済できないため、債務者と連帯保証人の両方が引き続き返済義務を負います。

債務者が住宅ローンを返済できなくなれば、離婚していても連帯保証人として代わりに返済しなければいけません。

離婚後に突然連帯保証人宛ての住宅ローンの請求が届き、トラブルになるケースは多いです。

なお、住宅ローンは契約時の債務者や連帯保証人の返済能力を根拠に融資を受けているため、あとから連帯保証人を外したり変更したりすることは困難です。

家を売却せずに所有し続ける場合は、事前にローンの返済計画について夫婦間で協議し、離婚協議書に残りのローンをどちらが支払うかなどの取り決めを明記することをおすすめします。

(4)連帯債務のとき

連帯債務とは、ひとつのローンに対して複数人で債務(返済する義務)を負うことを指します。例えば、住宅ローンの場合は夫婦や親子で連帯債務者になるケースが多いです。

連帯保証人は債務者が返済できなくなった場合のみ返済義務を負いますが、連帯債務者は全員が同等の返済義務を負う点が異なります。

離婚する際は、アンダーローンであれば家を売却して住宅ローンを一括返済できるため問題が生じることは少ないでしょう。

オーバーローンで家を売却できない場合は、離婚後も連帯債務者全員が引き続き返済義務を負います。

連帯保証と異なり、主債務者(ローンの契約者)の返済が滞っていなくても支払い請求を受ける可能性がある点に注意が必要です。

離婚後の金銭トラブルを避けるには、連帯保証の場合と同様に離婚協議書で取り決めておくか、離婚の際に自己資金で補いつつ住宅ローンを一括返済しておきましょう。

(5)ペアローンのとき

ペアローンでは夫婦が個別に住宅ローンを組みますが、互いの連帯保証人になる「たすきがけ保証」である点が離婚後に障害になる可能性が高いです。

アンダーローンの場合は、離婚の際に夫婦の同意のもと家を売却すれば住宅ローンの残債を清算できます。

オーバーローンの場合、ローン返済に必要な自己資金を用意できるまでは家を売却できず、夫婦それぞれが住宅ローンの返済を続けなければなりません。

さらに、相手方が返済できなくなれば、連帯保証人としての返済義務も負うことになります。

できる限り家を高く売却できる不動産会社を探し、離婚時点で住宅ローンを清算しておくことをおすすめします。

住宅ローンが残っている家を売る流れとは

離婚の際に住宅ローンが残った家を売却する流れは、以下のとおりです。
  • ①不動産会社の査定
  • ②売却価格の決定
  • ③住宅ローンが売却益で完済できるかの確認
  • ④売買契約
順番に詳しく見ていきましょう。

①不動産会社の査定

まずは、不動産会社に家の査定を依頼しましょう。家の査定方法には、机上査定(簡易査定)と訪問査定の2種類があります。

机上査定とは、査定対象の家を訪問せず、類似した事例や市場状況などのデータをもとに売却価格を算出する査定方法です。

訪問査定とは、実際に家を訪問して建物の状態を確認し、売却価格を算出する査定方法です。

2つの査定方法のメリット・デメリットを比べてみましょう。
机上査定(簡易査定)
<メリット>・査定期間が短い
・いつでも査定を依頼できる
・プライバシーを守りながら査定を進められる
<デメリット>
・訪問査定に精度は劣る
・信頼できる不動産会社を見分けにくい

訪問査定
<メリット>
・精度の高い査定ができる
・不動産会社の良し悪しを判断しやすい
<デメリット>
・近隣に家を売却予定であることを知られる可能性が高い
・査定に時間と手間がかかる

家の査定は複数の不動産会社に依頼して比較した方が良いですが、訪問査定で1社ずつ対応するのは時間がかかり大変です。

複数の不動産会社に一括で机上査定を依頼して絞り込んでから、希望の不動産会社にあらためて訪問査定を依頼する場合が多いです。

②売却価格の決定

家の査定結果をもとに、家の売却価格を決めましょう。売却価格は売主が自由に設定でき、交渉で値引きされることを想定して希望の売却価格より高めに売り出すケースもあります。

ただし、極端に高い金額を設定すると買主が見つからないリスクがあるため、類似した物件などを調査しながら適性な価格になるよう調整する必要があります。

実際に家を売り出す際は不動産会社と媒介契約を締結して代わりに買主を探してもらうことが多いため、売却価格の設定に関するアドバイスをもらいましょう。

③住宅ローンが売却代金で完済できるかの確認

家の売却価格と住宅ローンの残債を比較し、売却代金でローンを完済できるかを確認しておきましょう。

必要な金額に満たなければ、売却価格を見直したり売却する時期をずらしたりするなどの対策が必要です。

なお、買主が見つけるのに時間がかかると、焦って売却価格を下げ過ぎてしまうことがあります。

住宅ローンを完済できなければ家の売却そのものができなくなる恐れがあるため、最低限必要な金額を意識しておきましょう。

売買契約

買主が見つかり売却価格に合意を得られると、売買契約を締結します。売買契約書は仲介している不動産会社が作成するため、売主は以下のものを準備しておきましょう。
  1. ・実印
  2. ・印鑑証明書
  3. ・本人確認書類
  4. ・固定資産税納税通知書(必要な場合のみ)

また、売却が決まった時点で住宅ローンの借入先の金融機関に連絡し、売却代金の入金予定日を伝えておきます。

売却代金を受け取り次第、住宅ローンを一括返済し、金融機関から抵当権抹消手続きに必要な書類を受け取りましょう。なお、抵当権抹消手続きは、司法書士に依頼するのが一般的です。

オーバーローンの場合は任意売却となる

オーバーローンの場合は、上記の流れとは異なり任意売却を進めることになります。任意売却の主な流れは以下のとおりです。
  • ①不動産会社に家の査定を依頼する
  • ②住宅ローンの借入先の金融機関に任意売却の許可を得る
  • ③家の売却手続きを進める
  • ④家の売却代金を使って住宅ローンの一部を返済する
  • ⑤住宅ローンの残債の返済を開始する
なお、家の査定価格や住宅ローンの残債によっては、金融機関が任意売却に応じない可能性があります。

任意売却は本来返済すべきローンを先延ばしにする行為とみなされるため、金額に関わらず任意売却を認めない金融機関も少なくありません。

また、任意売却には以下のデメリットがあります。
  1. ・信用情報に傷がつく
  2. ・売却には連帯保証人や連帯債務者の合意が必要なため、離婚相手と連絡を取る必要がある
  3. ・金融機関が定めた期限までに売却を終えなければいけない
  4. ・期限までに任意売却できなければ競売で安く売却される

買主が見つからない場合、金融機関から裁判所を通して家を差し押さえられ、競売によって強制的に売却されるリスクがあります。

信用情報にも傷がついて融資を受けにくくなるため、任意売却は最終手段と考えておきましょう。

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離婚後に住宅ローンが残ると金銭トラブルに発展する可能性が高いため、離婚前に家を売却して一括返済しておくことが望ましいです。
家の不動産価値が低い場合や自己資金が不足している場合は任意売却という選択肢がありますが、デメリットが多いためできれば避けましょう。

住宅ローンの完済に自己資金が必要な場合は、一部新たなローンを組んで返済する方法もあります。

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おわりに

離婚に伴い家の売却を検討している場合は、まず住宅ローンの契約内容と家の不動産価値を調べましょう。

ポイントは、家の売却代金で住宅ローンを完済できるかどうかを確認することです。住宅ローンを完済できなければ抵当権を解除できず、家を売却できません。

離婚前に家の処分や住宅ローンの返済が終わらなければ、債務者や連帯保証人としての返済義務が続くため金銭トラブルに発展する可能性が高いです。

住宅ローンを一括返済するだけの自己資金がない場合などは、ローンによる借入れや任意売却を検討する必要があります。
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