(1)生活レベルを落とせない
収入は、40代〜50代にかけてピークになることが多く、それ以降は定年退職を迎えると年金生活となり一気に収入が減ります。
退職金も近年では年々減少しており、退職金制度がない企業も増え、高額の退職金が見込めない時代になってきています。
退職金が少ない、あるいはないのであれば、支出を抑えなければなりません。
定年後、年金収入だけでは毎月の生活費が足りず、貯蓄を切り崩しながら生活をしている高齢者も多くいます。
収入が減少しているにも関わらず、定年前の現役時代と同じような支出を続けていれば、貯蓄はどんどん減り年金だけでは賄えず、最悪の場合は老後破産に陥ってしまいます。
(2)定年退職後も住宅ローンが残っている
給与は50歳をピークに減らされることが多く、給与が減らされた中で住宅ローンを支払っていくと日々の生活に精一杯で老後の貯蓄になかなか備えることができません。
また、近年進んでいる晩婚化によりマイホームを購入するタイミングも遅くなり、定年までにローンの支払いが終わらないという場合も多くあります。
老後の生活費に充てようと思っていた定年退職金や備えていた老後資金を、住宅ローンの返済に回さざるを得ない場合は、破産状態に追い込まれる可能性があります。
また、定年までに住宅ローンが完済していても住まいにかかわる費用は発生します。
賃貸であれば毎月家賃が発生し、自己所有であれば、固定資産税やマンションの管理費・修繕積立金といった費用が発生します。定年後、年金暮らしで支払うには大きな負担となります。
住宅ローンが残っている場合の対応事例はこちら→
(3)子供に関する費用
教育費は大きい支出のため、既に子供が独り立ちをしていたとしてもなかなか貯蓄ができず老後を迎えるケースも多いです。
また、昨今晩婚化が進み、定年後も子供が高校生・大学生という家庭も少なくはありません。また、いつまでも自立しない子供がいる場合、自身の生活費だけでなく子供の生活費も貯蓄や年金などから負担することになります。
老後の支出を抑えるには、できるだけ早く子供に経済的に自立してもらうことも重要です。
(4)医療・介護費用
高齢になると、予期せぬケガや病気はつきものです。
高齢者の医療費は現役世代よりも安くなりますが、大きな病気には公的保険だけでは対応しきれない場合もあります。
1回あたりの支出はそこまで大きくなくても、回数を重ねれば大きな支出となります。
また、高齢になると、介護の問題が出てきます。
自分自身だけでなくパートナーに介護が必要になった場合は、在宅での介護だけでなく、介護施設や老人ホームの入居を検討する必要も出てきます。
介護施設や老人ホームは入居費用が非常に高額であり、月額費用も発生し長期で入居していれば支出がかさみます。
退職金や年金だけで賄うことが難しくなる可能性は高いと言えます。